2003年06月19日
伊勢谷友介氏にインタビュー

文芸学科棟402教室は、この授業用の特別レイアウトになっている。たまたま、この教室は一週間の時間割を通して、他の授業のために使われていないので、自由に椅子や机の配置などが可能なのである。実際のところ、机はすべて教室の後ろに移動して、椅子だけが使われている。先生や、授業内ゲスト、学生代表インタビューアーが座る席が黒板の前に設けられていて、それを囲む形で他の学生用の椅子が円形に並べられている。
『金髪の草原 』 |
本日は、その中心に授業内ゲストの伊勢谷友介氏が座っている。ホストの新井先生が、初めに伊勢谷氏のデビューのきっかけとなった映画のオーディションのエピソードを紹介する。その後、映画『カクト』の制作中に撮影された写真がスライドを使って投影される。伊勢谷氏が、写真一枚にさまざまなコメントをつけていく。その中には、映画の撮影現場の雰囲気を伝えようとするものもあれば、俳優や撮影スタッフ、プロデューサーを含めた人々の伊勢谷氏から見た愛すべき人柄の紹介などがあった。伊勢谷氏がユーモアを込めた写真解説をする度に教室からは笑いが起こった。特に、撮影最終日に撮影された伊勢谷氏の表情は、ホッとした、時には気の抜けた表情になっていて、撮影期間13日間における映画をめぐっての格闘、精神的疲労、肉体的疲労などが凄まじかったのだろうとこちらに想像させるものだった。まだ映画『カクト』は一般公開前であり、各種メディアから取材を受けたりプロモーション活動に取り組んだりと、別のフェイズでの格闘や緊張状態の中に伊勢谷氏は置かれているはずである。
『DISTANCE(ディスタンス)』
スライドが終了し、明るくなった教室で学生代表によるインタビューが始まる。学生インタビューアーの二人は、伊勢谷氏の厚意により公開前の映画『カクト』を既に観ており、映画の展開や内容に関する質問も次々と出てくる。伊勢谷氏もそれぞれの質問に誠実に答えていた。未公開映画に関して、いくつか秘密にしておかなくてはならない部分もあるようで、微妙なところはマネージャーの方に確認した上で、可能な限り学生の質問に答える姿勢を見せてくれた。それだけでなく「これは他では話したこと、一度もないのだけれど」「基本的には内緒にしておいてほしいのだけれど」と前置きしてから、伊勢谷氏が話してくれた内容は、特に涙あり笑いありのとっておきのエピソードだった(もちろん、ここには書けませんが)。
また、東京芸術大学出身の伊勢谷氏は、同じ芸術系大学ということで、うちの学生たちにも親近感を感じてくれているようだった。芸術系大学の学生にとっての大きな問題についてもストレートに「みなさん、将来、何になりたいの?」といった風に率直に学生にも逆インタビューや質問をしていた。学生の反応が時たま薄かったりすると「信じられない、それでも日芸の学生かよ」と活を入れたりもした。
やはり、映画学科の監督コースや脚本コースの学生たちからは、予算・撮影時のリーダーシップの取り方・脚本の展開方法・制作過程に至るまで、具体的な質問が寄投げかけられた。学生からの質問に、伊勢谷氏はほんの少しだけ次回作のコンセプトや、その中で映像として実現してみたいと思っていることなどを教えてくれたりもした。インタビューや質問が終わって、学生から拍手を贈られると伊勢谷氏は「好きなことを好きなようにしゃべって拍手してもらえるなんて、最高だね」と謙遜した。しかし実際のところ、伊勢谷氏は非常に周りの人間に対するサービス精神が旺盛な人物である。そのことは、今回氏が語ってくれた内容から十分学生に伝わったように思う。
Naoki Ishikawa's WEB SITEの石川日記 [2003年06月19日(木)]より
「日芸の二つの講義に伊勢谷くんがゲストで呼ばれ、ぼくも誘ってもらったので聞きに行ってきた。んー、面白い。身近にいる同世代に興味を惹かれるのはめずらしいのだが、彼のストレートな性格や感情の発露に、とても共感を覚える。新作の『カクト』は7月下旬から渋谷のシネアミューズで公開する。是非いろいろな人に観てもらいたいものだ」
日時: 2003年06月19日 18:53 | パーマリンク |TOPページへ ▲画面上へ
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